清良記を紐解く会『巻五』

【二週間ほど前に『中村行き』の現地研修を終えたばかりでしたが、帰路バスの中で羽藤明敏会長から文化祭の出展を頼まれ、現地研修を記事に伊井事務局長と二人で連日徹夜。展示物を準備したのが思い出されます。また文化祭をしながら清良記の紐解きも休みませんでした。研修を見て来たお陰で大変勉強もしやすくなりました。】


□三間史談会主催『中村行き』現地研修を振り返って


    平成22年度に現地研修をして依頼、2年も企画倒れになって来た『土居清良土佐に落ちらるる事』の現地研修でしたが、本年度は若手に企画立案実行を任せて欲しいという提案をさせていただき、遂に『土居清良土佐に落ちらるる事』の現地研修を実現できたことは誠に感無量の出来事となりました。『清良記』は三間の宝であり『土居清良』は三間の誇る戦国武将です。その清良記に記述されている清良公土佐落ち所縁の土地を尋ねることは、今後の清良記研究にとって非常に意義のあることと言えます。

    先ず訪ねた四万十市の竹島地区は、清良公が領地した『高島』ではないかという思いからの訪問でしたが、後日に竹島にある金亀山菩提寺の和尚から竹島の史料としていただいた『敷地軍記』の中に竹島が明らかに『高島』であったことが明記されており、また『敷地軍記』の評議をした一條家の家老が土居宗珊であったことが分かり、宗珊が土佐一條家の古くからの家臣であることも確認できました。故に竹島地区は清良公とはけっして無縁な地ではないのです。

    今後の研究課題としては『土居宗珊の人となり』、また『土居宗珊と小松谷寺殿と一條康政の関係』について研究をしたいと思います。土居宗珊は一條家の筆頭の家臣であったと言われており、一方、一條康政は一條家の執政官であったと言われています。この二人は同時期の人物であり、関係がなかった筈がありません。あるいは二人が同一人物である可能性も捨てきれません。今後は『長宗我部地検帳』や『敷地軍記』を中心により研究を深めて課題の究明をして行きたいと思います。


□清良記を紐解く会『巻の五』


    今回の紐解きは先日『清良公土佐に落ちらるる事』の現地研修でも訪問した『不破八幡宮』が舞台となります。清良記では不破八幡宮の事を『中村八幡宮』と呼んでいます。不破八幡宮というのは不破村の八幡宮という意味ですが、京から土佐に下向した一條教房が京の石清水八幡宮から勧請して幡多郡の中心神社として創建したのですから、清良記が呼ぶように中村八幡宮が本当だったのかもしれません。
    さて時は永禄四年の八月十五日の中村八幡宮の祭日の前夜となる宵宮祭のこと。中村八幡宮では宵の相撲大会が開かれていました。土居の侍達も多いに活躍し大勝して気分良く清良は屋敷に帰ります。すると後に相撲大会の会場目掛けて石を投げ込む者達がおり、男も女も神主までもが血を流す怪我を負わされるという事件が起こるのでした。
   誰の仕業かとなった時、どこの誰が言い出したのか土居の侍衆が怪しいと清良にその嫌疑が着せられてしまいます。その窮地を知恵を働かせて救ったのが土居近江守家忠でした。それはその次に行われる天神の祭礼の時に清良始め土居の侍を一人も祭礼の場へは出さず、もし石を投げ込む者がいればそれを真犯人として挙げようというものです。その為には真犯人を騙さなくてはいけません。土居の侍には『八幡の神事の礫打ちと人の沙汰する由ならば、今また天神祭に思う様打つべし』等と言いふらさせる念の入れようでした。
    しかしてその結末は案の定。二十四日の晩に三十人を越える礫打ちを捕らえることに成功。その内二十六人は近江守の謀に乗せられての犯行と判断されて放免に、内五人は八幡宮の礫打ちと分かり尋問すれば、同類三人が芋づる式に明らかになり、その宿主段兵衛は東郡の元親に成敗させ、八人の者共は真犯人として八幡宮の河原に磔とせられるのでした。
    この頃はちと不吟味にて不審申し掛け候、その段御免候え。若き衆はか様の事心に掛けられては悪しく候。かく申し晴らし候えば、尊家は少しも不審残さず候、その段は安並と江州に問われ候え。此度の尊家が咎めかど合いの申し訳には、兵法、軍法、底を叩いて教え申すべし。とありて、それよりは毎日、兵法の執り行い他事なく、かようにあれば、人のかねがね思いし心も変わり、いづれも用い奉りて、清良公今は重き人になりおわします。『用いる時は鼠も虎なり、用いざる時は虎も鼠なり』と言う事、実にこの時の言葉なり。と、 この件に関しては短気で有名な兼定も清良を召して謝られたと言います。



平成25年10月26日(土)清良記を紐解く会座長:松本敏幸(090-1320-1508)

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by kiyoyoshinoiori | 2015-04-07 13:00 | 郷土史

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