□『清良記』を紐解く会より September 2016

 九月十二日~十六日の五日間、宇和島市役所一階ロビーにて特別展示会『松浦郁郎所蔵・清良記抄と清良記挿絵展』を開催する運びとなりました。清良記抄(きよよしきしょう)は、昭和四十八年元日~昭和四十九年九月二十一日に渡り、新愛媛新聞(日刊新愛媛の前身)で連載されたコラムですが、松浦郁郎氏所蔵の写本を利用し、昭和五十年発行となる『清良記松浦郁郎校訂』よりも早く世に出された大変稀有な連載だったといえます。
 また、連載の「はじめに」を読んで分かった事は、その写本は、松浦氏が恩師清水岩蔵氏の書写した高串本を複写した物であったこtが分かりました。『清良記松浦郁郎校訂』の作業には、清良記の三間本を高串本で校訂していくという気が遠くなるような作業があった訳ですが、三間本は三間本だけ、高串本は高串本だけで翻刻し発行すべきだったと批判する学者もいたといいます。そのような意味でも清良記抄は、高串本だけを原稿にした稀有な資料といえるでしょう。
 更に、清良記抄の写真を見ていると、『清良記松浦郁郎校訂』の挿絵に使われている三輪田俊助画と瓜二つの写真があるではありませんか。挿絵は、三輪田画伯から松浦氏に無償で提供されたときいていましたが、清良記抄の写真がモチーフになっており、もし清良記の連載がなかったら、三輪田画伯の挿絵も存在していなかったのではないかと思わされ、清良記抄が本当に稀有な存在である事を感じた次第でs。故に、九月の展示会は、今は亡き恩師の清水岩蔵先生、三輪田俊助画伯、そして、新愛媛新聞社に捧げたいと思います。


□『巻二十九』を紐解く(清良記・p.390~p.402)

 さて、三間史談会主催『清良記』を紐解く会では、毎月三間公民館にて、清良記の勉強会をしています。九月は二十四日に『巻二十九』を紐解きます。そして、ここにきて登場するのが清良の嫡子太郎重清です。「壬申年にて、今年十五歳」とあり、元亀三年(一五七二)生まれであった事、承応三年(一六五四)に亡くなったという清良記の著者水也と、同年代であった事などが分かります。元亀三年の当時、清良二十七歳。真吉新左衛門は十四歳。水也が真吉新左衛門と同一人物という説もありますが、少し無理があるように思います。土居清良の被官であり、三嶋神社の神官であったという水也が誰なのか。土居家被官の内情を記録した『巻二十九』にその正体を知る糸口があるのか。一文一文を噛み締めながら紐解いてみたいと思います。


                              文責/三間史談会 松 本 敏 幸



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# by kiyoyoshinoiori | 2016-09-01 06:00 | 郷土史

□『清良記』を紐解く会 July 2016

梅雨も明けたのではないかと見間違ってしまうような晴天の七月三日、西予市城川町土居地区で行われた奇祭「どろんこ祭り」に行ってきました。明治十四年頃より行われるようになったという「どろんこ祭り」は、三間を発祥とする遊興だったともいわれています。三間の三嶋神社の松浦宮司の話では、参道の東に神田があったと言うのですが、現在では見る影もありません。西予市城川町土居地区の三嶋神社では、これからもどうか大切に継承して行って欲しいと思いました。

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□『巻二十七』を紐解く p.364〜p.376

平成二十五年五月からスタートした【清良記を紐解く会】も後四巻を残すのみとなって参りました。天正十二年二月から始まる巻二十七では、織田信長の死後、勢を取り戻した長宗我部元親の元に、芝美作や魚成対馬ら辺境の武将が再び寝返って行きます。何はともあれ、元親の四国統一→豊臣秀吉の四国征伐→豊臣権勢の元で下城し帰農して行くまでの、『清良記』大詰めの物語となって行きます。

一章、土居との確執もなくなった西園寺殿は大森城へ清良を訪ね、いつにない覚悟を持って深田上城に陣を配置。土居、山田、久枝は尾坂五本松に出張して、尾坂より沢松口の柏田に柵を巡らせますが、まさしくここが土佐との戦の最前線であったと言えます。三章より始まる合戦の最中には、土居の軍師桜井武蔵を始め、善家六郎兵衛ら重鎮らが討死。かなわじと思いてもなお突いて掛かる土居の侍達。その駆け引きの妙に、勧修寺より来た加勢の侍も驚嘆したといいます。

また、巻二十七で特筆しておきたい事は、四章から六章に登場する松浦宗案に纏わる話です。松浦宗案を、実際には存在しない架空の人物と言い広める人もいるようですが、それは『清良記』全てを作り話と言っているに等しく、どのように読んでもそこまで言える確かな証拠は見られないという事を訴えておきたいと思います。この問題については、松浦郁郎先生に改めて講義をお願いしたいと思っているような次第です。

文責/三間史談会々員 松 本 敏 幸


「以上は、7月に使用した『清良記を紐解く会』のテキストです。勉強会の中では、松浦郁郎先生に松浦宗案に纏わる話をしていただいたり、東京都あきる野市の土居秀夫氏から届いた手紙を紹介しました。また、今回は特別に『清良記』の挿絵として使われた、故三輪田俊助氏の原画を初公開していただく事ができました。この原画はデジタル化し、9月には宇和島市役所のロビー展で展示したいと考えています。」


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撮影者:松本敏幸©︎
撮影地:愛媛県宇和島市三間町宮野下(三間公民館)
撮影日:2016.7.16(土)
*この記事の文章、及び画像は著作権を放棄していません。



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# by kiyoyoshinoiori | 2016-07-16 23:02 | 郷土史

今日は、城川町の土居地区(愛媛県西予市)で行われた奥伊予の奇祭「どろんこ祭り」に行って参りました。
お祭りを見ると心が綺麗になった気持ちになれます。そこには、先祖から受け継がれてきた命と郷里に対する感謝の思いがあります。その恩に、どうすれば報いる事ができるでしょうか。それを思えば、先祖から受け継がれて来た命と郷里を守りたいという気持ちが湧いてきます。そして、生きる力を強くして、よく勉強し、よく働き、よい結婚をして、よき家庭を築きたいと思うようになります。昔の日本では、どこでも見れた光景でしたが、今ではテレビのドラマのような光景ばかりが頭の中を占めているのではないでしょうか?里山のお祭りは、私が何者であったかという事を気付かせてくれます。どうすれば正しく命を用いる事ができるのか、どうすれば正しく生きる事ができるのかの答えがあるように思いませんか。(o^^o)


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撮影者:松本敏幸©︎
撮影地:愛媛県西予市城川町土居
撮影日:2016.7.3(日)
*撮影に協力をいただいた皆様、誠にありがとうございました。







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# by kiyoyoshinoiori | 2016-07-03 18:03 | 城川どろんこ祭り

□『清良記』を紐解く会より June 2016

晴天に恵まれて、五月十四日は、高知県南国市の【岡豊城址】で行われた「第七回長宗我部フェス」、十五日は、高知市長浜の若宮八幡で行われた「第五回長宗我部まつり」に参加してきました。片道三時間半を二日往復しましたが、それだけの甲斐がある郷土愛に満ちた催しでした。

「長宗我部フェス&まつり」は元親を始めとする長宗我部氏を盛り上げる町興しイベントですが、伊予国宇和郡の攻められた側としては「ぎょっ」と思われる方もいらっしゃる事と思います。しかし、高知県に足を運んでみれば、本当に慕われて誇りに思われており、かつては命を取り合った関係も、これからは共に高め合って行く事が必要ではないかと思わされました。

「あらま欲しきは師友の縁。」人が生きて行く上で大切な事は、いかに尊敬できる師や友と出逢えるかだと言われますが、今回の高知県行きでは【中島重勝氏】と出逢い、本当に良くしていただきました。中島氏は「土佐史談」の会員で、『土佐物語』の現代語訳をされたり、子供達にも分かりやすい絵本や紙芝居で郷土の偉人を紹介する活動をされています。また、スタッフの交流会にも招いて下さり、「高知県でも『清良記』の勉強をしよう」と言って下さって、本当に感動的な出逢いとなりました。


□『巻二十六』を紐解く p.354〜p.363

『清良記』が著された承応二年(一六五三)は、伊達の治世となって三十九年目。藩主が二代宗利となり、和霊神社が正式な神社として登録された頃、三間の三嶋神社神主であった著者【土居水也】が有していた情報と認識は、間違いが含まれるにせよ、当時を知る上で非常に貴重な文書と言わざるを得ません。

巻二十六の一章は、元親と信長の関係について言及しています。ここで注目しておきたいのは、「天正九年辛巳の夏の末より三好松岸と弓矢取りはじめけり」の一文と、天正十一年二月二日の記録に「去々年、元親が侍あまた清良に打たれて以後は、当国への手遣いもならず手懲りしてありしに」とある一文です。これによっても、岡本合戦が天正九年であった事、三滝合戦の後に岡本合戦が起きた事などが分かります。

さて、またユニークなのは三章から始まる「夫婦のたとえ」です。西園寺公広卿の姉にせがまれて、土居蔵人が話をしますが、夫婦は「味噌と塩」のような関係で、塩がなくては味噌の味は調わないが、塩も過ぎれば辛くなる。それはまた、君と臣の関係にも通じていると、面白おかしく物語が進んで行きます。このようなたとえ話は、当時の知恵を知るに止まらず、本当に現代に於いても役に立つ知識であり、まさに『温故知新』と合点してしまったような次第です。

文責/三間史談会々員 松 本 敏 幸 ©︎




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写真は、五月十五日「第五回長宗我部まつり」にて撮影。




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# by kiyoyoshinoiori | 2016-06-17 23:00 | 郷土史

第5回 長宗我部まつり


5月1日(日)は、高知市長浜の若宮八幡社で開催された『長宗我部まつり』に行ってまいりました。



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『長宗我部まつり』に先立ち【元親初陣像】の前で『初陣祭』の神事が執り行われます。土佐の戦国武将【長宗我部元親】は、永禄3年の22歳の年、若宮八幡神社にて初陣の必勝祈願をされ、戸の本で本山氏を討ち破って初陣を果たされたといいます。



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若宮八幡社の前には可愛らしい甲冑武者が集まっていました。幟旗の紋は【丸に七つ酢漿草(かたばみ)】。酢漿草は三つ葉の小さな植物ですが、地によく根ざして繁殖し、土佐七郡を制覇した元親に相応しい紋に見えました。



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拝殿が左右に伸びる若宮八幡社の作りを【出蜻蛉(でとんぼ)式】といいます。「勝虫」とも呼ばれる「とんぼ」は戦の縁起を良くするといい、元親がそのように造くらせたと伝わっているそうです。



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ここでは、『第5回長宗我部まつり』の無事と成功が祈願されています。女性の神主さんがとても凛としていますね。前に長宗我部元親と、その父国親の役をするお二方が座られていますが、今年の元親役も中学三年生の女の子だそうです。高知県は女性の活躍が目まぐるしい、と聞いていたのを思い出しました。



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若宮八幡神社の前で記念撮影する、武者行列の参加者。こういう楽しいお祭りの思い出があると、自分の生まれ育った町を忘れる事なんてできないですね。どこに住み何の仕事をしていても、お祭りの日には生まれた町へ心が向かうのではないでしょうか。



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大人の甲冑武者も良いし、赤い陣羽織を着た子供達もまた本格的な出で立ちで、とても良い武者行列でした。



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本陣を模したメインステージに到着すると、会場からは大歓声が起こりました。



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へんしゅうちゅう

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# by kiyoyoshinoiori | 2016-05-15 23:51 | 戦国フェス

清良記を紐解く会の資料と活動を公開します。\(^o^)/


by 清良の菴(きよよしのいおり)さん